P.S 母さん、愛しています。
『もう弱音は言いません』



「……どうせ、また言ってくるって!」


LINEの文字に向かって、はー君は呆れてた。

でも、その言葉を最後にLINEは一切流れてこなかった。


そして………



『本を出します!』


一年ぶりくらいに届いたLINEに、はー君も私も驚いた。



「……自費出版か?」


呆れる野郎だなぁ……と、はー君は笑った。

でも、出された本はきちんと賞を獲ってた。



「おばちゃん、スゴい!やったねっ!!」



積まれた本を前に、はー君は立ち竦んだ。

その目の中に揺らいでる涙を流さないよう必死で堪えてた。



「………遅すぎだよ」



泣きそうな顔をして笑った。



「はー君……」



声を詰まらせて泣いたのは私。


ずっと、そんなはー君の隣にいようって思った。


素直に愛情を感じられないはー君に、愛を教えてあげるのが役目。


だから、はー君。


今こそ手紙を出して。


そして、ラストにこう加えるの。



『P.S 母さん、愛しています』……って。





END








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