P.S 母さん、愛しています。
7歳になる前だった。
母親に手を握られて帰ったばあちゃん家の前で、ジィーッと立ちん坊をさせられた。
横に立つ母親の目からは、涙がボロボロと溢れ返ってる。
子供の頃の俺は、その意味も分からず、ボーッと眺めてた気がする。
「…入らないの?」
尋ねる俺に頷くものの、一向に中へは入れない様子だった。
後から聞いた話では、母親は俺の父親と駆け落ちのようにして家を出たらしい。
だから、実家の敷居が高くて、跨ごうにも跨げなかったんだ。
「お入りなさい」
ばあちゃんの声に反応して、胸を借りて大泣きした。
あれを最後に、泣いてる母親の姿は見たことがない。
「絶対に幸せになるっ!もう2度と誰も好きにならないっ!!」
リコンのセオリーを口にして働きだした。
身を粉にして、朝から晩までずっと働いた。
ただひたすら、生活を支える為に。
俺を…独り立ちさせる為に。
「母さんはもう十分働いた。陽希を大学に通わせられるだけの資金も作った。だから、もう働かない!残りの人生は、自分の思うように生きるっ!」
大賞を受賞した日、そう言って目を輝かした。
呆れてるばあちゃんやおいちゃんと同じく、ぽか〜んとした顔で母親を見てた俺だったけど………
胸の中では、「頑張れっ!」と後押しして気がする。
俺やばあちゃん達のことなんて気にせず、「やりたいことだけやれっ!」って考えた。
母親に手を握られて帰ったばあちゃん家の前で、ジィーッと立ちん坊をさせられた。
横に立つ母親の目からは、涙がボロボロと溢れ返ってる。
子供の頃の俺は、その意味も分からず、ボーッと眺めてた気がする。
「…入らないの?」
尋ねる俺に頷くものの、一向に中へは入れない様子だった。
後から聞いた話では、母親は俺の父親と駆け落ちのようにして家を出たらしい。
だから、実家の敷居が高くて、跨ごうにも跨げなかったんだ。
「お入りなさい」
ばあちゃんの声に反応して、胸を借りて大泣きした。
あれを最後に、泣いてる母親の姿は見たことがない。
「絶対に幸せになるっ!もう2度と誰も好きにならないっ!!」
リコンのセオリーを口にして働きだした。
身を粉にして、朝から晩までずっと働いた。
ただひたすら、生活を支える為に。
俺を…独り立ちさせる為に。
「母さんはもう十分働いた。陽希を大学に通わせられるだけの資金も作った。だから、もう働かない!残りの人生は、自分の思うように生きるっ!」
大賞を受賞した日、そう言って目を輝かした。
呆れてるばあちゃんやおいちゃんと同じく、ぽか〜んとした顔で母親を見てた俺だったけど………
胸の中では、「頑張れっ!」と後押しして気がする。
俺やばあちゃん達のことなんて気にせず、「やりたいことだけやれっ!」って考えた。