ニャン山村の大冒険
「はいニャン山村ですけどぉ」
その声にまるで生気はない。
「もしもし…ニャン?」
その声の主は、婚約者であるリン山村だった。
「もしもしニャン!?元気!?私がわかる!?」
「あっあぁ…リン……久しぶりだな…」
「ニャン…大事な話があるの…」
リン山村の深刻な声に、動揺を隠せないニャン山村。
「なんだよ大事な話って…
なんかあったのか!?」
「実はね…私…子供ができたの」
「なに!?ホントか!?
よかった…よかったぁ」
ニャン山村の目には涙が。
『子供ができた』そのことは、今のニャン山村には地獄へ差し込む一筋の光だ。
いつまでもこんなこしてる場合じゃない!!
「俺、まじめに働く!!
働いて金貯めて、絶対幸せにするから!!」
「あっ悪いけどアンタの子供じゃないわよ。
もうしつこく連絡とかしないでくれる?それじゃ」
ガチャ…ツー…ツー
「リン…」
現実を受け入れられないニャン山村。
ニャン山村のハートはガラスなんです。
「どうして…リン、どうして…」
ニャン山村のリン山村を愛する気持ちは、憎しみに変わっていた。
これが後に有名な『愛が憎しみに変わる様』で、ある。