Miracle

「あっそ、じゃあしてみたら？」

「じゃあ、遠慮なく。」

そう言って、唇が触れるか触れないかの寸前まで杉崎優太の顔が寄って来た。

あたしはずっと杉崎優太の目をガン見してた。

そしたら意地の悪そうな顔して杉崎優太は言った。

「今はまだ早いかもね、子供には。素直になるって事を知ったらしてあげる。」

…は？

あたしが欲しがったみたいな言い方辞めろ。

「あは！あたしがいつキスして欲しいって言った？あんたこそ面白いわ！あはははは！！」

笑いが込み上げてきて笑いが止まらなかった。

このあたし様に挑戦？

いいじゃん、いいじゃん！

面白い。

その挑戦受けて立つ。

あんたなんかのキスなんてこれっぽっちも欲しがったりしねえよ。