キミが好き。【短編】
好き
「俺さぁ。好きな奴いるんだ。」
やっと日直の仕事が終わり帰ろうとした時に、
キミがあたしを捕えながら言った。
「えっ?…なんでいきなり?」
あたしは、持っていた鞄を握りしめながらキミを見る。
…キミの好きな人。
「ん?お前には言った方がいいかなって思ったから。」
なんて、照れながら言うキミ。あたしは、この時…
必死に涙を堪えながらキミに笑顔を向けていた。
……でも、諦めないよ?
だって決めたもん。キミに好きな人がいてもあたしは、キミを好きなままでいるって。
そう決めたのに……
何で涙なんか出てくるの?