you....
みちしるべ
『1人でも平気でしょ』

そんな言葉を聞かされるのはもう何回めだろう。

ーーーーー1人でも平気ーーーーー

平気だよねだってなんも考えなきゃいいんだもん。
なんも望まなきゃ期待しなきゃいいんだもんね。
何をどうしたって結果はいつも同じ。
人生なんてそんなもん。

「はいみーっけ!また振られたんすか
雫ちゃん♡」

1人いつもの場所でため息をつく、そんでもって頭の中でリピートするあの言葉。
いつからここに来るようになったんやろ。
いつから1人になるとあの言葉がリピートするよになったんやろ。
いつからこんなに毎日が面白くなくなったんやろ。
そんなの全部あの日から。
すべて失ったあの日から.....

「あれぇー雫ちゃん無視⁇」

面白くはないかもしれやんけど退屈はしやんくなった。この人らのおかげで
佐藤タク、杉田美玲、蒼葉涼。
この3人は私、松下雫のみちしるべ。

「なんでわかったん」

目の前に座るタクの問いかけにやっと返す自分。

「んー??泣いとったから?ここは通りかかっただけ」

ニコって笑いながらメニュー表を開くタク。その笑顔はいつもお見通しやよって言われとるみたいで苦しくなる。

「泣いてないもん」
「泣いとるよ。今だってほら平気じゃないよって顔しとる。」

ほらお見通し。別に涙が出とるわけでもないし無。
感情を表に出さん私はいつも無表情。

そんな私でもタクから見たら違う。
タクは出逢った時からそうやった。
人の表情や態度とかそーゆうことに敏感でいつもお見通しって顔で。
でも絶対に自分から話すまで何も聞いてこやん触れてこやん。
その優しさがすごい嬉しかった。心地よかった。安心した。

「ばっかみたい」

ニコニコしながら私の頭をポンポンするタクにそんな言葉しか返せやんのはタクの言っとる事が間違えじゃないからでどちらかと言えばあたっとるから
いつも人に興味なんかなさそうで何に関しても面倒くさそうでやのに誰よりも人のこと見とって敏感で気を遣ってくれる。
そーゆうとこすごいなかなわんなって思うんさな。

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