私は、エレベーターで恋に落ちる
私は、林田さんにいって無理やり抜けさせてもらった。

隣で、伊村さんが番犬みたいに威嚇してたけど、『違法性がないですから』という、魔法の言葉を手に入れた私は、今度こそ、牢獄みたいなオフィスから脱出することが出来た。

すぐに携帯を確認する。

この件を一緒に担当していた、営業の戸田さんから、何度も電話が入っていた。

まずい。

私は、すぐに戸田さんに、電話をかける。

戸田さんは、すぐに電話に出てくれた。

「ああ、彩弓ちゃん？今まで何してたの？ずっと連絡取ろうとしてたんだけど」

いつも、たいていの事じゃ慌てない、戸田さんが早口になってる。
これは、結構まずいかも。

「ごめんなさい、戸田さん。もしかして……」

「ああ、ヨコタプランニングさんから、電話かかって来たよ」

うううわあ。
やっぱり。

あのオヤジ時報通りきっかり1時にかけてきたに違いない。

「えっと、すみません、今から……」

「その件は、もう大丈夫だから。先方も納得してくれて、丸く収まったから。
結果的にはルナちゃんが君の代わりに頑張ってくれたんだ。
今回は一応、大丈夫だったけど、こんなことにならないように、問題を抱えているんだったら、ちゃんと前もって説明しといてね」

「はい。申し訳ありません」
何でルナが出てくるんだ？




「どうかしましたか？」

出口までついてきた、林田さんが尋ねた。

「ここで、足止めを食らったせいで、トラブルになって同僚に迷惑かけてしまったんです」

「それは、大変申し訳ありません。本当に失礼しました」

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