私は、エレベーターで恋に落ちる
「これは?」
「まあ、見てな」
彼は自慢げに、慣れた指さばきでキーを叩く。
左側は何も変わらないが、右側の画像がすべて一瞬で私の画像になった。
「何してるの?」
うわっ自分の顔が画面いっぱいになる。
「不審者を捜してる」
彼がまじめに言いう。
「不審者って何よ」
「警備会社から、エレベーターで変な動きがあると連絡が来た。
こうやってモニターで確認すると、エレベーターに乗っったまま降りないやつがいるってな。
しかも、規則正しく朝昼2回も」
「うん?」
「うん?じゃねえ。エレベーター乗ったまま降りないで、消えるやつがいるか。
お前がしょうもないことしたおかげでな、俺はこの何週間か、お前の画像ばっかりこうやって、見せられたんだぞ!
ほら、見ろ、これ、ふらふら意味もなくビルん中歩きやがって、何やってんだ、まったく」
「何やってんだ、って言われても。階段で降りただけでしょ?」
「27階だぞ、毎日2回もそんな長い階段を、一段ずつ降りていくやついるか。ちなみに、27階で、エレベーターを使わないで降りていくって答えた人はいなかったからな」
彼は、立ち上がって私に訴える。
「別にいじゃないの。私が何しようが。ちなみに、階段で降りたのは1階だけだよ。後は、非常口から入ったから」
「26階だとお!何でそんな途中で降りるんだよ」
「だって、オフィスは26階にあるもん」
「お前がなあ、まっすぐ会社に来て、まっすぐ帰ってくれれば、こんなことしなくて済んだんだ。バカ野郎!」
「あ~あ、いいのかな」
私は、彼の目の前に置かれた小さな機械を指さす。
「ん?」
「録音ランプ付いたままだけど」
「げっ」
「まあ、見てな」
彼は自慢げに、慣れた指さばきでキーを叩く。
左側は何も変わらないが、右側の画像がすべて一瞬で私の画像になった。
「何してるの?」
うわっ自分の顔が画面いっぱいになる。
「不審者を捜してる」
彼がまじめに言いう。
「不審者って何よ」
「警備会社から、エレベーターで変な動きがあると連絡が来た。
こうやってモニターで確認すると、エレベーターに乗っったまま降りないやつがいるってな。
しかも、規則正しく朝昼2回も」
「うん?」
「うん?じゃねえ。エレベーター乗ったまま降りないで、消えるやつがいるか。
お前がしょうもないことしたおかげでな、俺はこの何週間か、お前の画像ばっかりこうやって、見せられたんだぞ!
ほら、見ろ、これ、ふらふら意味もなくビルん中歩きやがって、何やってんだ、まったく」
「何やってんだ、って言われても。階段で降りただけでしょ?」
「27階だぞ、毎日2回もそんな長い階段を、一段ずつ降りていくやついるか。ちなみに、27階で、エレベーターを使わないで降りていくって答えた人はいなかったからな」
彼は、立ち上がって私に訴える。
「別にいじゃないの。私が何しようが。ちなみに、階段で降りたのは1階だけだよ。後は、非常口から入ったから」
「26階だとお!何でそんな途中で降りるんだよ」
「だって、オフィスは26階にあるもん」
「お前がなあ、まっすぐ会社に来て、まっすぐ帰ってくれれば、こんなことしなくて済んだんだ。バカ野郎!」
「あ~あ、いいのかな」
私は、彼の目の前に置かれた小さな機械を指さす。
「ん?」
「録音ランプ付いたままだけど」
「げっ」