警備なおしごと
新たな業務

いよいよ、待望の24時間勤務。
まず、警備室の点検。朝一番の受け付け
から。

シフトの関係で、

少しずつ違いがあるものの、

1日に四人出入り、常には二人体制。24時間二人、8時間二人で構成。

基本警備は、確認業務で、
なにかあるにせよ、いつ?どこ?を確認。

受け付けも同じで、なにかあった時に、

いつどこの会社の人?何時に、と確認できるようにする。


すきか。朝、申し送りをし長い24時間が終わり、帰途につく。

家に着くとごはんを食べて、少し眠る。
と、携帯が鳴る。

「んだよ、あ、文彦!」

佐藤文彦。すきかの高校からの同級生である。忘れた頃にやって来る。

「はいよ、どした?」

「ABC行ったら辞めた、て。長さんが言ってた。辞めたんだ。」

「うん、辞めて新しい仕事してる。今帰って来た。」

「行っていい?」

「夕方からだったらいいよ。なんかあった?」

「いや、心配してた、し。」

「わかった。今日の19時に、ね。」

「わかった。じゃ!」

ひと眠りしなきゃ、持たないよ。
SNSをチェックしつつ、眠りに着く。


夕方。

ピンポン〜。

「文彦?」

「おう、しばらく。」

「元気だった?」

「すーも、元気じゃん。」

「なに、飲む?」

「酒。あるもんでいいよ。」

「わかった。まってて。」

鍋を仕込んであった。
すきかは手際よく用意し、

ビールを差し出し、

「はいよ。」

「お、ありがとう。」

ビールを注ぐ。文彦の差し入れだ。

「私も、」

「うん、じゃ乾杯、て。新しい仕事にだね!」

「ありがとう。く〜。んまい!」

「サンキュー。相変わらず美味いな、すきかの食わしてくれるの。」

文彦とは、高校で部活とクラスが一緒で大学、就職とそのたびに飲み会。

数人の時もあり二人の事もある。

「ねぇねぇ、今警備の仕事してんだ。」

「お、ぴったりか?子供の頃から空手させられてたし。」

「文彦、彼女さんは?」

「うん。なんとか、上手くやってるよ。すきかは?」

「あ、私、今いらない。」
(隠した。)

「へ〜、高校の頃からだと、考えらんないな。ヤリヤリだったのにね。」

「言うな。中学からだよー。文彦だってとっかえひっかえ!」

「え?中学からだったの?ショック!憧れてたのに。」

「はは、女はモテると、歯止めがきかない。」

「なに?高校一年生の頃の、あの純情で可憐な、?」

「勝手に純情させるな!コクられて、嫌です…。 とか言って、裏では40過ぎの男とくっついてた。」


「だよなぁ。なんとなく知ってた。俺ら憧れていた頃に、変な奴の物を、咥えてたのか。」


「こらこら、勝手な想像すんな。」

考えてみたら、久しぶりだった。

ABC電気辞めてから、誰とも会ってない。自分の岐路に必死だった。

真央の事、
何故隠したかはわからない。

ただ文彦は違うと、思ってた。

友情、て あると思ってた。






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