今日から君の許嫁!!
しかし、今回は朝とは違って口をはさんだほうが良かったと後で後悔した。

「藤野さん、今度の土曜日空いてる?」

鎌田くんは蓮じゃなくて私に聞いてきた。

「空いてるけど」

「俺とデートしてくれないかな」

でえと?デートぉ!?

突然のことで頭が回らないかつ、蓮を問い詰めているときとは違い柔らかな口調で言ってくるから私は自然と頷いた。

「やった」

鎌田くんの喜びの声をきいてデートを了承したことに今更ながらに気が付いた。

「ちょっと、待てよ」
蓮が間に入ってきた。

「何かな、山本くん」
勝ち誇ったように鎌田くんが言う。

「告白は許嫁特権で邪魔されたけど、個人的に遊びに行くことも許嫁の了解がいるとか言い出したらそれはもう俺だけじゃなく藤野さんにも迷惑だよ」

この言葉に蓮はぐうの音もでない。

「鎌田くん、私デートなんてしたことない」

「俺もしたことないよ」と、驚きの言葉を鎌田くんが言う。

こんなかっこいい鎌田くんが一度もデートしたことないなんて絶対嘘だ。
鎌田くんと二人きりなんて心臓が持たないよ。みんな忘れてるかもしれないけど、私の性質人見知りだからね。最近知り合ったばかりの鎌田くんと二人きりなんて。

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