今日から君の許嫁!!
蓮の部屋に踵を向ける。



「瑞穂ちゃん? 」



え、蓮。なんで。部屋にいると思ってたのに。

蓮の髪が少し濡れていて、お風呂上りだとわかった。



「それ、俺にだよね」



蓮は私が持つガトーショコラを指す。



「いや、これは失敗作だから」

「いーよ。瑞穂ちゃんの手作りだったらなんでもうれしいよ」



あ、鎌田君と同じこと言ってる。

促されて、蓮の部屋に入る。



「あー、でもラッピングしてないし。今度、ちゃんとしたのあげるから」

「ここまで来てまだ渋るの? こっちのほうが特別感ある」



ベッドに腰かけた蓮は隣をトントンとする。

そこに座れと言うことらしい。

ここまで来たら覚悟を決めるか。

蓮の隣に座った。



「瑞穂ちゃん、食べさせてよ」




食べさせるって。いわゆる、あーんってやつですか。はずかしいよ。



「自分で食べてよ」



皿を蓮に押し付けるも、押し返される。



「瑞穂ちゃんからのプレゼントでしょ」
< 175 / 177 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop