今日から君の許嫁!!
蓮とガトーショコラを交互に見る。

どうにでもなれ。

フォークで切り割けて、ガトーショコラをさす。破片がこぼれないように左手でお皿をつくって蓮の口元に持っていく。



「……あーん」



は、恥ずかしいの限界突破。

蓮が咀嚼し終わるのを息を殺して待つ。



「ん、おいしいじゃん」

「無理しなくていいよ」



こんなに焦げてるんだから。手元にあるガトーショコラに目を向ける。



「ほんとだって」



蓮にフォークを取られた。今度は蓮自身でガトーショコラを口にした。



「あー、ちょっと苦いかも」



ほら、やっぱり。



「いいよ、残りは私が食べるから」



皿を自分のほうに引き寄せる。
< 176 / 177 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop