今日から君の許嫁!!

中学校の友だちから

電話がかかってきたのは

朝ご飯を食べ終わり

自分の部屋に戻ってきたときだった。


内容は今日開かれる夏祭りについて。


毎年、この時期に私が住んでいる

地域では夏祭りが開かれる。


そんなに大きい祭りではないが

「たまや~」と叫びたくなるような

花火が上がる。


以前から一緒に行こうね

という約束をしていた友だちからだった。


「えー、

 今日祭り行けないの~!?」


これが私の第一声だった。


「ごめん、本当にごめん!

 彼氏にさ、別の祭りに

 誘われちゃって」


「彼氏出来たんだ」


「うん、

 ごめんね、瑞穂。

 瑞穂と先に約束してたのに」


「いいよ。

 祭りは別の人と行くから」


「ごめんね」


彼女は四回目の「ごめんね」

を言った。


「彼氏と楽しんできてね」


私は決まり文句的な言葉を

言って、電話をきった。


花菜、彼氏出来たんだ……。


花菜は可愛いし、

スタイルいいし、

やっぱりモテるよね。


羨ましいとも思うけど

凄いとも思う。


高校に入ってまだ半分も

経ってないのに、

彼氏つくれるのは尊敬に値する。


でも、いつかは別れるんだろうな

とも思う。


今は楽しくてもまた別の人を

好きになって、新しい彼氏が

出来るのだろう。


それが悪いとは思わないし、

言える立場じゃない。


でも、私だったら、

ずっと一緒にいたいと思える人に

出逢いたいな。


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