今日から君の許嫁!!
ドーーン!
どの場所から観ても
同じ形をしている花が
また夜空に咲く。
「綺麗だね、蓮」
私は一瞬蓮の方に顔を向けた。
蓮と目が合ったような気がした。
けど、花火の美しさに圧倒され、
その考えはすぐに消える。
「ヤバ、
マジで可愛いんだけど」
蓮の独り言が聞こえた。
花火の音で周りの音なんて
聞こえないはずなのに
蓮のその言葉は私の耳に届いた。
でも、本当は聞こえたくなかった。
頬が紅く染まる。
顔が熱を帯びるような。
胸の奥がぎゅっ
ってなる。
ドーーン!
蓮を含め周りの人たちは
花火を観ている。
チラッと
横目で蓮を見てみると
花火の光に照らされた
蓮の顔が見えた。
私はなんだか恥ずかしくなって
ただ花火を観ていた。