今日から君の許嫁!!
「おばさん、
俺、一人で大丈夫ですよ。
瑞穂ちゃん行きたそうですし」
蓮、優しい!
「蓮君、そんなに気を使わないで」
母さんひどいよ、
せっかく蓮がいいって
言ってるのに。
「瑞穂には冬休みに連れて
行ってあげるから。
そのときは蓮君も一緒に」
「だったら、今でもいいでしょ」
「もう少し二人が仲良くなったら」
「もう、十分仲いいよ」
私は祖父母の家に行きたくて
しょうがなかった。
毎年恒例行事と言っても過言
ではないから、行かない、
行けないという選択肢は
なかったのだ。
「じゃあ、
私たちの前でキスできる?」
母は言った。
キス……?
「出来ないわよっ!」
頬がほんのり紅く染まった。
「いきなり何言うのよっ!」
「いきなりじゃないわよ。
許嫁同士なんだから
それくらい出来ないと
おばあさん達に紹介できないわよ」
母は当然のようにいった。