今日から君の許嫁!!
午後1時になった頃
私と花音は
チェーン店のカフェで
駄弁っていた。
「こないだ、瑞穂
ファミレスにいたよね?」
花音は唐突に言った。
私にとっては唐突だったが、
花音にとってこのことは
一つの会話にすぎなかった。
「えっ、うん。いたよ」
もしかして、蓮と居てたとこ
見られたかな。
「花音、いたんなら声かけてくれたら
よかったのに」
「ごめん、ごめん。
でも、なんか、カッコいい人と
一緒にいたから
声かけづらくて」
やっぱり、見られてたよ。
「一緒にいた人誰?
もしかして、彼氏?」
「違うよ~!
蓮は許嫁だよーー」
「いいなずけー!!?」
周りの人の視線が
ここに集まるのがわかる。
「花音、声大きいよっ」
「だって、許嫁だよ。
ねぇ、瑞穂その蓮くんのこと
好きじゃないの?」
花音がわくわくしているのが
わかる。