今日から君の許嫁!!

花音と校門でわかれた後、私は蓮に怒っていた。


「なんで、許嫁のこと言うのよ」


「えっ、秘密だった?」


「女子は怖いんだよ。

 さっきの見たでしょ。

 彼女だったら別だけどね

 って。ギラついた目で」


「いや、ギラついてはいなかったと

 思うけど」


蓮は知らないんだよ。


漫画でよくあるじゃん。


イケメンの王子様は

みんなのものだから

好きになったらダメだって。


「とにかく。

 学校ではあんまり

 話しかけないで欲しいな」


「俺は瑞穂ちゃんと

 話したいな」


そんなこと言って。


どうせ、誰にでもいってるくせに。


私は騙されないからね。


「んー、話すくらいならいいけど

 一緒に住んでることは

 絶対に誰にも言わないでよね」


「オッケー」


その言い方信じられないんだけど。


「瑞穂ちゃんと話せるっ」


蓮は本当に嬉しそうな顔で言った。


声が小さかったから私には

聞こえなかったけど。


その笑顔は見えた。


私と話せるのが

そんなに嬉しい?


私はあまり関わりたくないのに。


そう思うとなんだか

蓮に申し訳なく思った。


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