今日から君の許嫁!!

「だって、あたしチャラいのは嫌いだもん。あたしが好きなのは俺様なイケメン!」

花音は何を隠そう俺様大好きっ子なのだ。(チャラい人が嫌いなのは初めて知ったけど)乙女ゲームをプレイする際に絶対、俺様なキャラを選択するほどに。

花音にとって俺様以外のキャラは乙女ゲームにおいてオマケなのだとか。

「そうだよ。花音はチャラいヤツは嫌いだから」
そう言って、花音の肩にぽんっと手を置いたのは学園祭のときに私に告白してきた鎌田旭輝くんだった。

そして、鎌田くんはそのまま花音に話しかけた。

「てか、花音。先一人で行くなよ」

「起こしたけど、旭輝が起きなかったんだよ」

「お前のせいで寝坊しそうになったし」

「あたしのせいじゃないし。てか、わざわざ文句言いに来たの」

「違うよ。誰がお前に文句言うために来るかよ」

「そんなこというなら、もう、起こさないよ」

二人は私と蓮を無視して、二人だけの世界を作ってしまっている。

まさか、鎌田くんが花音の知り合いだったなんて、世界は案外狭いのかもしれない。でも、二人が話している様子を見ると、知り合いというより、友だちなのかな。いや、友だちよりは距離が近いかもしれない。

花音と話している鎌田くんは想像とは少し違っていた。
鎌田くんと話したのは少ししかないけど、花音には心を許している感じがした。

私が二人の関係について考えていると蓮に話しかけられた。
< 98 / 177 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop