対象外でも恋咲く

占い師に微笑み掛けられたふくろうが「ホー」と嬉しそうに鳴いた。


その頃、弘人と瞳はこの『春子の部屋』について話をしていた。


「えっ？ ふくろうがいる占いの店？ 俺も行ったよ！ あー、そうだった。同じ課にいる人が一生のパートナーになるとか言われたんだ」


弘人はすっかり忘れていた占い師の言葉を思い出す。


「そうだったのね。えっ……じゃあ、一生のパートナーって……」


「そう。瞳を好きになってからまだ期間は短いけど、俺は瞳とずっと一緒にいたいと思っているよ。瞳は違う？」


「ううん、違わない。私もずっと一緒にいたいと思うし、弘人に似たかわいい目をした子供が欲しいとも思うし」


昨夜、瞳は夢を見た。夢の中で弘人によく似た男の子が瞳の作ったオムライスを美味しい！と笑顔で食べていた。

夢で見たような幸せの家庭を弘人と作っていきたいと願う。


「またそうやって、俺を煽るわけ？」


「えっ、煽っているんじゃなくて、弘人の子供が欲しいなと思っただけであって」