対象外でも恋咲く
瞳は駅まで向かって歩いていたが、ラーメンが食べたくなり、駅を通り過ぎて、その先に進んだ。

ラーメン屋に辿り着く前に１つの看板が瞳の目に入った。


『どん底のあなたを占います』


だけど、空腹を満たすために看板の前をチラッと横目で見て、三軒先にあるラーメン屋に入る。


「あれ？ 高畠さん？」


「あ、小沢くん」


「お疲れさまです。もしかして、まだ仕事されてました？」


「うん。さっき終わったの」


弘人はラーメンを食べ終えて、伝票を持ち、立ち上がったところであった。


「そうですか。お疲れさまです。あ、どうぞ。お先に」


「うん。ありがとう」


弘人はカウンター席へと通路を開けて、瞳に通るよう促した。

瞳は弘人が会計を終えて出ていくのを確認してから、味噌バターラーメンを頼んだ。

来月に32才になる瞳は弘人がイケメンであろうが、年下には興味がなかった。だから、仕事帰りに弘人に会ったことを特別気にすることもなかった。

それよりも気になっていたのが、先ほどチラッと見た占いの看板だった。
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