対象外でも恋咲く
嫌いなイケメンでも
それから一週間後、ミーティングテーブルで紗和と弘人は向き合っていた。
課長から二人で工場に1日研修に行ってくるようにと命じられて、その日の行程を打ち合わせしていた。行く工場は2ヶ所だが、遠くから行くか近くから行くかで意見が分かれていた。
「私、早く起きるのが苦手なので、こっちを先にしてくださいよ」
「いや、でもさ、こっちをあとにしたら、すぐに帰れるよ。直帰していいんだし」
弘人が譲らない理由は、弘人も朝起きるのが苦手だからだ。紗和の家に近いほうに決めてしまうと、弘人の家から遠くなってしまい、いつもよりも30分も早く出なくてはならない。
それは逆にした場合、紗和にとっても同じことだった。
だから、お互いに譲らない二人の意見は平行線で、ただどっちを先に行くかを決めるだけなのにそれがなかなか決まらない。
「おいおい、いつまでも見つめあっていないで、早く行程表を出せよ」
ちょうどミーティングテーブルの横を通った課長が声を掛ける。
課長から二人で工場に1日研修に行ってくるようにと命じられて、その日の行程を打ち合わせしていた。行く工場は2ヶ所だが、遠くから行くか近くから行くかで意見が分かれていた。
「私、早く起きるのが苦手なので、こっちを先にしてくださいよ」
「いや、でもさ、こっちをあとにしたら、すぐに帰れるよ。直帰していいんだし」
弘人が譲らない理由は、弘人も朝起きるのが苦手だからだ。紗和の家に近いほうに決めてしまうと、弘人の家から遠くなってしまい、いつもよりも30分も早く出なくてはならない。
それは逆にした場合、紗和にとっても同じことだった。
だから、お互いに譲らない二人の意見は平行線で、ただどっちを先に行くかを決めるだけなのにそれがなかなか決まらない。
「おいおい、いつまでも見つめあっていないで、早く行程表を出せよ」
ちょうどミーティングテーブルの横を通った課長が声を掛ける。