対象外でも恋咲く
「ははっ、菊池さんは健康オタク？」


「いえ、違いますよ。そういう人は早寝早起きだったりするじゃないですか？ 私は遅寝遅起きですし、体に良いものを食べなくてはいけないとかも言いません。でも、野菜を摂ったほうがいいとかその程度は……」


紗和は振られた時の思い出してしまい、言葉に詰まる。

野菜を食べないといけないと日頃から何度も言っていたのが振られた原因だとしたら、口うるさい部分は封印したほうがいい？


「ん？ どうかした？」


「いえ、あの、男の人はやっぱり口うるさいのは嫌いですよね？」


「えっと、いきなりで話が見えないけど、そんなようなことを言われたの？」


紗和は驚きながらも心配そうに見る弘人につい話したくなってしまった。


「実は最近振られたんです。どうもあれこれとうるさい私が嫌になったみたいで。ハハッ…」


誰かに聞いて欲しかったけど、同情されるのは嫌だった。だから、笑ってごまかすが、笑い声が渇いていた。
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