対象外でも恋咲く
弘人はバレンタインデーに告白されて、良い印象を持っていた子だったから、好きになれるかもしれないと思ってOKをした。

その時はもちろん振られるという予想は全然していなく、それなりに好きになっていた。だから、交際を始めてから好きになることはあるというのは自分が経験しているからこそ言えることだった。


「あー、そういうのもありますよね。全然タイプじゃないのに好きになっていたんだよねーなんて、この前私の友達も言っていたし」


「そうそう、だからさー、やっぱり縁なんだよ」


弘人と紗和は次の恋に向けて、笑いあった。

自分の今の状況や気持ちを理解してくれる人がいることをお互いが嬉しく思った。

それと、話せたことで心が軽くなった紗和は少しだけ弘人を見る目が変わっていた。

イケメンでも意外にいい人なのかもしれないと。


弘人が長いと思っていた道のりは話ながら歩いたせいもあり、あっという間に感じるほどだった。
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