対象外でも恋咲く
「おはようございます。本社から来ました小沢と菊池です」
「おはようございます」
弘人の挨拶に合わせて、紗和も頭を下げた。
工場の事務所にいた10人くらいの社員が二人に注目する。
だけど、軽く頭を下げるだけで、誰も声を出さない。二人はもしかして、招かざる者だった? と一瞬不安になるが、大きな声が聞こえて、ビクッと体を揺らした。
「おー、小沢ー! 久しぶりだな!元気だったか?」
「うわっ、おお!久しぶりー」
大きな声は正面からではなくて後ろから聞こえ、肩を叩かれた弘人は振り向く。紗和も威勢の良い声に驚き、同じように振り向いた。
身長は弘人と変わらないが、横幅の広い男がいた。この男は弘人の同期で、近藤という。
「生産ラインが動くのが9時半からだから、それまで応接室で待っているようにってさ。こっちだよ」
出入口の横、数歩先にあったドアを開ける近藤のあとに続いて、弘人と紗和も進んだ。
近藤に座るように促されて、二人は並んで座る。近藤は応接室を出ていったが、すぐにコーヒーカップを3つのせたトレイを持って戻ってくる。
「おはようございます」
弘人の挨拶に合わせて、紗和も頭を下げた。
工場の事務所にいた10人くらいの社員が二人に注目する。
だけど、軽く頭を下げるだけで、誰も声を出さない。二人はもしかして、招かざる者だった? と一瞬不安になるが、大きな声が聞こえて、ビクッと体を揺らした。
「おー、小沢ー! 久しぶりだな!元気だったか?」
「うわっ、おお!久しぶりー」
大きな声は正面からではなくて後ろから聞こえ、肩を叩かれた弘人は振り向く。紗和も威勢の良い声に驚き、同じように振り向いた。
身長は弘人と変わらないが、横幅の広い男がいた。この男は弘人の同期で、近藤という。
「生産ラインが動くのが9時半からだから、それまで応接室で待っているようにってさ。こっちだよ」
出入口の横、数歩先にあったドアを開ける近藤のあとに続いて、弘人と紗和も進んだ。
近藤に座るように促されて、二人は並んで座る。近藤は応接室を出ていったが、すぐにコーヒーカップを3つのせたトレイを持って戻ってくる。