対象外でも恋咲く
恋はしないと決めていても
弘人と紗和は午前中の工場研修が終わり、駅に戻る道のりを歩く。
帰りもタクシーを使わなかった。5分ほど歩くと、前方から漂ってくるカレーの匂いに二人は鼻を動かす。タクシーに乗っていたら、気づくことのなかった匂いだ。
「お腹空きましたね」
「うん。何が食べたい?」
「カレーの良い香りがしますね」
「そうだよね! でも、カレーだと…」
弘人はカレーが食べたくなっていたが、紗和にご馳走するのがカレーだと嫌がられるかなと提案するのを躊躇う。
「カレーにしませんか? ものすごく食べたい気分なんです」
紗和はすぐそばにあるカレーハウスと書かれた店を指差す。躊躇う弘人の気持ちを感じ取ったようで、先に提案をした。
「本当にカレーでいいの? もっと…カフェとかイタリアンレストランとかでもいいんだよ」
「いいえ、カレーが食べたいんです。小沢さんは嫌ですか?」
「いや、俺も食べたいと思ってた。じゃあ、ここに入ろうか」
帰りもタクシーを使わなかった。5分ほど歩くと、前方から漂ってくるカレーの匂いに二人は鼻を動かす。タクシーに乗っていたら、気づくことのなかった匂いだ。
「お腹空きましたね」
「うん。何が食べたい?」
「カレーの良い香りがしますね」
「そうだよね! でも、カレーだと…」
弘人はカレーが食べたくなっていたが、紗和にご馳走するのがカレーだと嫌がられるかなと提案するのを躊躇う。
「カレーにしませんか? ものすごく食べたい気分なんです」
紗和はすぐそばにあるカレーハウスと書かれた店を指差す。躊躇う弘人の気持ちを感じ取ったようで、先に提案をした。
「本当にカレーでいいの? もっと…カフェとかイタリアンレストランとかでもいいんだよ」
「いいえ、カレーが食べたいんです。小沢さんは嫌ですか?」
「いや、俺も食べたいと思ってた。じゃあ、ここに入ろうか」