対象外でも恋咲く
占い師は弘人から伝えられた情報をメモしていく。


「ああ、そうなのね。分かったわ」


占い師がメモから目を離して真っ直ぐと弘人を見ると同時にかごの中のふくろうが相づちを打つように「ホー」と鳴いた。

弘人は分かったという内容を伝えられるのを待った。


「あなたは今日、恋人に別れを告げられたのでしょう？ 」


「ええっ！ 何で分かるんですか？」


「フフッ、私には何でもお見通しなのよ。あなたの未来だってね」


「俺の未来？」


恋人と別れたばかりの自分にどんな未来があるのだろうかと弘人は気になった。


「未来はね、自分で切り開くものだからハッキリとこうなると断言はしないけど、アドバイスはしてあげるわよ。聞きたい？」


どんなアドバイスだろうか……弘人は首を縦に振って、アドバイスを受ける決意を示した。

占い師はテーブルの下から丸い水晶玉を出し、書いたメモの横に置いて手を当てた。

その時、ふくろうが「ホー」と鳴く。
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