対象外でも恋咲く
イケメン嫌いというだけで、イケメンな人をみんな否定するのは間違いだったのかもしれない。

誰でもちゃんと正面から向き合う必要がある。

正面から……紗和は運ばれてきたカレーを食べる弘人を正面からまじまじと見た。

紗和の前にもスープカレーが置かれているが、スプーンを手にしたままで一口も食べていない。


「どうしたの? 俺の食べ方おかしいとか?」


紗和からくる視線に弘人が顔をあげる。


「あ、いえ。普通です。美味しいですか?」


「うん、美味しいよ。食べないの?」


「あ、はい。食べます、食べます」


紗和は食べていなかったことを指摘されて、スプーンを持ったままでいた自分の状態に気付いて、急いでカレーをすくって口へと運ぶ。


「…美味しい!」


「プッ! でしょ?」


明らかに普段と違う様子の紗和を見て、弘人は笑う。しっかり者の紗和がかわいく見えていた。
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