対象外でも恋咲く
夜7時を過ぎて、弘人と瞳は約束通りにラーメン屋に行った。


「高畠さん、餃子ひとついかがですか?」


「うん、じゃあ、いただきます」


弘人は瞳が前回来たときに食べた味噌バターラーメンと餃子を食べていて、瞳はさらにコーンを加えた味噌バターコーンラーメンを食べていた。

弘人からもらった餃子を瞳は口に入れる。


「美味しい!」


「でしょ? 餃子も頼んで正解でしたよ」


瞳はさっきから「美味しい!」と笑顔で言う弘人にドキドキしていた。

弘人のことを二週間前から意識するようになって、それからは弘人の笑顔を見るたびに胸がきゅんとなっていた。

でも、今夜みたいに向き合うことがなかったから、なんとか感情を抑えることが出来ていた。

しかし、向き合って食事をしている今夜は感情が顔に表れてしまっている。


「ラーメン食べると暑くなりますよね。高畠さんも暑そうですね」


「うん……」


弘人はネクタイをはずし、ワイシャツの第一ボタンもはずした。その動きと喉仏を瞳はじっと見ていて、胸の鼓動はさらに早くなっていた。
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