対象外でも恋咲く
「違うの……具合は本当に悪くなくて、顔が赤くなって熱くなったのは、小沢くんが……」


「えっ? やっぱり俺が原因? でも、具合は悪くない? 本当に大丈夫?」


弘人は瞳の伝える言葉の意味が分からなくて、どんどん疑問を吐き出す。


「えっと、とりあえず上がる?」


「あ、うん。遅い時間だけど、いいですか?」


ずっとエントランスで話をしているのは他の住民に迷惑にもなる。

弘人は少しだけ上がって、瞳の様子を見てから帰ろうとしていたが、よく考えると遅い時間に上がり込むのはよくないのではないかと、確認をする。

瞳は弘人の申し出に了承して、自分の部屋にあげた。


「狭いところだけど、そこに座って」


「はい。ありがとうございます。あ、高畠さん、何もいらないですから、高畠さんも座ってくれませんか?」


弘人はまず話をさせて欲しいと思い、飲み物を出そうとキッチンに行こうとする瞳を止めた。
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