対象外でも恋咲く
弘人には質問の意図が分からなかった。だけど、仕事の話と同じくらい紗和の目が真剣だったし、最近振られたという紗和の話も思い出したので、ちゃんと答えようとする。
しかし、振られた数は覚えていても振った数は覚えていないのが現状だった。
弘人は頭の中でざっと計算をする。入社して6年…1年に三人として18人で…学生時代も含めると…
「20人くらいかな……」
かなりアバウトな数字を出した。実際はもっと多いはずだが、それよりも多い数字を出すのを躊躇われた結果だ。
「断るときはなんて言うんですか?」
「えっ? あー、ごめんって謝るよ」
「へー、それで素直に引き下がってくれます? 理由を聞かれたりしますか?」
「聞いてくる人もいたよ。その時は…好きな人がいるからと言っていたかな」
弘人は、次から次へと出てくる答えにくい質問に無難な答えを出す。紗和は無難すぎる答えが不満だった。
質問したのは紗和だけど、無難な答えは弘人を知る判断材料にならない。
しかし、振られた数は覚えていても振った数は覚えていないのが現状だった。
弘人は頭の中でざっと計算をする。入社して6年…1年に三人として18人で…学生時代も含めると…
「20人くらいかな……」
かなりアバウトな数字を出した。実際はもっと多いはずだが、それよりも多い数字を出すのを躊躇われた結果だ。
「断るときはなんて言うんですか?」
「えっ? あー、ごめんって謝るよ」
「へー、それで素直に引き下がってくれます? 理由を聞かれたりしますか?」
「聞いてくる人もいたよ。その時は…好きな人がいるからと言っていたかな」
弘人は、次から次へと出てくる答えにくい質問に無難な答えを出す。紗和は無難すぎる答えが不満だった。
質問したのは紗和だけど、無難な答えは弘人を知る判断材料にならない。