対象外でも恋咲く
弘人は占い師と白ふくろうに励まされた『春子の部屋』を出て、三軒先にあったラーメン屋に入る。
占い師の謎のアドバイスは頭の隅に追いやって、味噌ラーメンをオーダーした。
* * *
場所は焼肉屋。
「ほら、光司(こうじ)。野菜もちゃんと食べないとダメだからね」
菊池紗和(きくちさわ)は恋人である光司と焼き肉を食べていた。肉ばかりに手を伸ばす光司をたしなめて、焼けたピーマンを光司の皿に入れる。
二人は同じ大学に通っていたが、付き合い始めたのは社会人になってからで、今交際2年である。
紗和は同い年の光司の世話を焼いてしまうことが多く、光司の部屋に行くと、掃除や洗濯までしていた。そんな世話好きな紗和に光司も感謝をしていたが、その一方で不満を感じることもあった。
最近は特に、光司のやること一つ一つに口出しをしてくる紗和を鬱陶しく思っていた。
「あのさ、紗和」
「ん? なあに? あ、光司の好きなカルビも焼けたよ。はい」
「俺たち、別れないか?」
占い師の謎のアドバイスは頭の隅に追いやって、味噌ラーメンをオーダーした。
* * *
場所は焼肉屋。
「ほら、光司(こうじ)。野菜もちゃんと食べないとダメだからね」
菊池紗和(きくちさわ)は恋人である光司と焼き肉を食べていた。肉ばかりに手を伸ばす光司をたしなめて、焼けたピーマンを光司の皿に入れる。
二人は同じ大学に通っていたが、付き合い始めたのは社会人になってからで、今交際2年である。
紗和は同い年の光司の世話を焼いてしまうことが多く、光司の部屋に行くと、掃除や洗濯までしていた。そんな世話好きな紗和に光司も感謝をしていたが、その一方で不満を感じることもあった。
最近は特に、光司のやること一つ一つに口出しをしてくる紗和を鬱陶しく思っていた。
「あのさ、紗和」
「ん? なあに? あ、光司の好きなカルビも焼けたよ。はい」
「俺たち、別れないか?」