対象外でも恋咲く
光司の突然の言葉に紗和は持ち上げた肉をその場に落としてしまう。幸い鉄板の上だったから良かったが……。
紗和は何で? と問いただしたい気持ちを抑えて、真っ直ぐ光司を見据える。
「分かった……光司がそうしたいなら別れよう」
その後、二人は黙々と残りの肉と野菜を食べて、焼肉屋を出て、反対方向にそれぞれ歩き出した。
私、口うるさかったかな?
光司が好きだったから、何でもしてあげたくて、身の回りのことまで世話をしたのが良くなかったのかな?
1ヶ月ほど前に親友に「そんなに尽くしているとうざがられるわよ」と言われたことを思い出す。
紗和は自分の行動一つ一つを振りかえって、別れの原因を探った。いつか光司と結婚することを夢見ていたから、夢を絶たれたことで気分はどん底へと落ちていってた。
そこに目を奪われる看板が現れる。
『どん底のあなたを占います』
何でも自分で解決して、自分の信じる道を選んできた紗和は占いを信じることはほとんどなかった。
だけど、そこに導かれるように足が動いて、『春子の部屋』のドアを開ける。
「はい、いらっしゃい。あらー、気が強そうなお顔をした美人さんね。どうぞ、お座り」
つい5分前に弘人を占った占い師は緑茶を飲んで、ほっと一息ついていた。
紗和は何で? と問いただしたい気持ちを抑えて、真っ直ぐ光司を見据える。
「分かった……光司がそうしたいなら別れよう」
その後、二人は黙々と残りの肉と野菜を食べて、焼肉屋を出て、反対方向にそれぞれ歩き出した。
私、口うるさかったかな?
光司が好きだったから、何でもしてあげたくて、身の回りのことまで世話をしたのが良くなかったのかな?
1ヶ月ほど前に親友に「そんなに尽くしているとうざがられるわよ」と言われたことを思い出す。
紗和は自分の行動一つ一つを振りかえって、別れの原因を探った。いつか光司と結婚することを夢見ていたから、夢を絶たれたことで気分はどん底へと落ちていってた。
そこに目を奪われる看板が現れる。
『どん底のあなたを占います』
何でも自分で解決して、自分の信じる道を選んできた紗和は占いを信じることはほとんどなかった。
だけど、そこに導かれるように足が動いて、『春子の部屋』のドアを開ける。
「はい、いらっしゃい。あらー、気が強そうなお顔をした美人さんね。どうぞ、お座り」
つい5分前に弘人を占った占い師は緑茶を飲んで、ほっと一息ついていた。