対象外でも恋咲く
「えっ……あと1時間くらいかな」
「俺もそのくらいなんで、先に帰らないで」
「えっ……あ、うん。いや、あの……」
一緒に帰ることを決定事項のように言われて、瞳は動揺した。
そんな瞳の様子に弘人は、クスッと笑ってから追い打ちをかけるように、耳元で囁く。
「逃がしませんからね」
意味深な囁きに瞳は、一気に頬を赤く染めた。そして、それを弘人に見られないようにそそくさと自分のデスクにあった書類を持って、コピー機に行く。
コピーする必要のない書類だったが。
近くにいた弘人が瞳の顔色の変化に気付かないはずがない。狼狽える瞳を見て、楽しそうに口元を緩ませて、パソコンの電源を入れた。
「あ、いた。小沢さん、お疲れさまです。ちょっといいですか?」
「あれ? まだいたんだ……」
定時であがったはずの紗和が現れ、弘人を手招きして、廊下へと連れ出す。
紗和は弘人が戻ってくる時間まで総務部で同期と話をしていた。何がなんでも弘人を捕まえたかった。
コピー機の前にいた瞳は出ていく弘人をチラッと見て、必要のない書類を1枚コピーした。
「俺もそのくらいなんで、先に帰らないで」
「えっ……あ、うん。いや、あの……」
一緒に帰ることを決定事項のように言われて、瞳は動揺した。
そんな瞳の様子に弘人は、クスッと笑ってから追い打ちをかけるように、耳元で囁く。
「逃がしませんからね」
意味深な囁きに瞳は、一気に頬を赤く染めた。そして、それを弘人に見られないようにそそくさと自分のデスクにあった書類を持って、コピー機に行く。
コピーする必要のない書類だったが。
近くにいた弘人が瞳の顔色の変化に気付かないはずがない。狼狽える瞳を見て、楽しそうに口元を緩ませて、パソコンの電源を入れた。
「あ、いた。小沢さん、お疲れさまです。ちょっといいですか?」
「あれ? まだいたんだ……」
定時であがったはずの紗和が現れ、弘人を手招きして、廊下へと連れ出す。
紗和は弘人が戻ってくる時間まで総務部で同期と話をしていた。何がなんでも弘人を捕まえたかった。
コピー機の前にいた瞳は出ていく弘人をチラッと見て、必要のない書類を1枚コピーした。