対象外でも恋咲く
紗和は占い師の目の前に座り、近くにある鳥かごを見た。白ふくろうが小さく「ホー」と歓迎するかのように鳴く。
占い師は飲み干した緑茶の湯飲みを後ろの台に置いてから口を開く。
「さて、お名前と年齢、誕生日を教えて」
「はい。菊池紗和といって、26才です。誕生日は6月3日です」
「ほおほお、もうすぐ誕生日なのね。それで、また1つ年を重ねるわけね。ほおほお……」
「ほおほお」は占い師の口癖なのかもしれない。
「それが何か?」
もうすぐ27才という事実に苛立った紗和は強い口調で返す。もうすぐ27になるのに、恋人と別れた私はどうしたらいいのよ!
「まあまあ、落ち着いて。恋人に振られたくらいであなたの人生は終わらないわよ」
「えっ? どうして私が振られたと?」
紗和は名前と誕生日を言っただけで、占ってほしい内容も恋人と別れたことも言っていなかった。
それなのに言い当てられてしまい、驚く。
「それは、私が占い師で何でもお見通しだからよ。あなたの未来だって、私には見えるわ」
「私の未来?」
占い師は飲み干した緑茶の湯飲みを後ろの台に置いてから口を開く。
「さて、お名前と年齢、誕生日を教えて」
「はい。菊池紗和といって、26才です。誕生日は6月3日です」
「ほおほお、もうすぐ誕生日なのね。それで、また1つ年を重ねるわけね。ほおほお……」
「ほおほお」は占い師の口癖なのかもしれない。
「それが何か?」
もうすぐ27才という事実に苛立った紗和は強い口調で返す。もうすぐ27になるのに、恋人と別れた私はどうしたらいいのよ!
「まあまあ、落ち着いて。恋人に振られたくらいであなたの人生は終わらないわよ」
「えっ? どうして私が振られたと?」
紗和は名前と誕生日を言っただけで、占ってほしい内容も恋人と別れたことも言っていなかった。
それなのに言い当てられてしまい、驚く。
「それは、私が占い師で何でもお見通しだからよ。あなたの未来だって、私には見えるわ」
「私の未来?」