対象外でも恋咲く
弘人は、両手をテーブルの上に置いて指を絡める。
「なんで断ったの? 菊池さん、きれいだし……今日、手を握っていたよね?」
「あー、あれ見てたんですか? 菊池さんか緊張していて、手を震わせていたから少しでも震えがおさまるようにとしたんですけど、軽率でしたね」
「なんで軽率だと?」
「だって、高畠さん、誤解したでしょ?」
手を握る二人が付き合っているのかと確かに思ったけど、その状況を知った今となれば、あのときのことは誤解だった。
でも、誤解をしたから胸が痛んで、自分の気持ちが弘人に向いていることを再確認することが出来た。
だから、あの誤解は決してマイナスだけではないけど、その本音を弘人には言えない。もし言うとなればそれは告白したのと同じになるから。
だから、当たり障りのない返事をする。
「確かにちょっと誤解はしたけど、そんなに気にしていないから」
「ほんとに?」
弘人は瞳の本心を覗こうと顔を近付ける。
近い距離に瞳は視線を逸らして、首を縦に振った。
「なんで断ったの? 菊池さん、きれいだし……今日、手を握っていたよね?」
「あー、あれ見てたんですか? 菊池さんか緊張していて、手を震わせていたから少しでも震えがおさまるようにとしたんですけど、軽率でしたね」
「なんで軽率だと?」
「だって、高畠さん、誤解したでしょ?」
手を握る二人が付き合っているのかと確かに思ったけど、その状況を知った今となれば、あのときのことは誤解だった。
でも、誤解をしたから胸が痛んで、自分の気持ちが弘人に向いていることを再確認することが出来た。
だから、あの誤解は決してマイナスだけではないけど、その本音を弘人には言えない。もし言うとなればそれは告白したのと同じになるから。
だから、当たり障りのない返事をする。
「確かにちょっと誤解はしたけど、そんなに気にしていないから」
「ほんとに?」
弘人は瞳の本心を覗こうと顔を近付ける。
近い距離に瞳は視線を逸らして、首を縦に振った。