対象外でも恋咲く
もし、誰かを?
瞳はその誰かを紗和にして、紗和を抱き締める弘人を想像した。
想像だけで胸が痛む。
「嫌かも……うん、嫌だな」
「ほら、嫌でしょ? だから、高畠さんが嫌だと思うことはもう絶対にしない」
「私が嫌だと思うこと?」
「そう。俺は高畠さんが好きだから、高畠さんが嫌がることはしないし、高畠さんに嫌われることもしたくないんです」
話の中で出てきた『好き』というワードを瞳はしっかりと受け止めていた。
まさか弘人が自分のことを本当に好きだとは……。紗和の手を握る弘人を見て、自分にして欲しいと思った。紗和を見ないで自分を見て欲しいと思った。
弘人の心が欲しいと思った。
だけど、欲しいと思っても叶わないものだと思っていた。
「私ね……」
「はい?」
「小沢くんが欲しいの。小沢くんのすべてをもらってもいい?」
「えっ? あ、いいけど、もちろんいいです。でも……もう! あー! マジでなんて殺し文句を言うんですか……」
瞳はその誰かを紗和にして、紗和を抱き締める弘人を想像した。
想像だけで胸が痛む。
「嫌かも……うん、嫌だな」
「ほら、嫌でしょ? だから、高畠さんが嫌だと思うことはもう絶対にしない」
「私が嫌だと思うこと?」
「そう。俺は高畠さんが好きだから、高畠さんが嫌がることはしないし、高畠さんに嫌われることもしたくないんです」
話の中で出てきた『好き』というワードを瞳はしっかりと受け止めていた。
まさか弘人が自分のことを本当に好きだとは……。紗和の手を握る弘人を見て、自分にして欲しいと思った。紗和を見ないで自分を見て欲しいと思った。
弘人の心が欲しいと思った。
だけど、欲しいと思っても叶わないものだと思っていた。
「私ね……」
「はい?」
「小沢くんが欲しいの。小沢くんのすべてをもらってもいい?」
「えっ? あ、いいけど、もちろんいいです。でも……もう! あー! マジでなんて殺し文句を言うんですか……」