さよならの見つけ方 第2章 *絶対温度*
タイトル未編集
例えば、
ほんのふとした瞬間に想い出が込み上げてきて、
心だけどこかへ連れ去られそうになること。
そう例えば、ほんの些細なきっかけで地面に流れ落ちた涙のかけらを見つけては、
あまりのその懐かしさに、泣き叫びたくなること。
立ち止まったまま進めない私に、チャドとの想い出に溢れたこの街の風が冷たい。
チャド、
チャド、
あなたの街でも雨は降っていますか?
雨の落ちる海の色は、綺麗に輝いていますか?
晴れた夜にはどれくらいの星が見えますか?
穏やかな黒い瞳に映る、沈みながら色を変えゆく夕陽を
隣でずっと、見ていたかった。
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*絶対温度*
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