heart slip
トイレって1人で入るものだよね?
だから2人で入るとかなり狭い。
しかも、いつの間にか私は明の腕の中…
わー!!
どうしよう……。
カチャッ
携帯の開く音がして、明の手元を見ると、やっぱり。
携帯いじってるし。
ていうか持ってきちゃ駄目だし。まぁ私もいつもカバンの中に入れてるけどさ。
「ねぇっ!!こんな時に何してんの?」
「こんな時だからこそだよ」
意味深な笑みが似合ってるのがまた頭に来る。
私は携帯をのぞき込もうと背伸びしたけど、身長差があって見えなかった。
小学校の頃は同じくらいだったのに。
明は4年前……私が小学校6年生だった頃、東京からこのド田舎に引っ越してきた。
私の家の真正面に。
やっぱこれは運命だよね!?
そんな私の妄想ワールドから、明が話しはじめたことによって、引き戻された。
「茜ってさ……」
「……何?」