heart slip
1位との差は3㍍を保ったまま、ゴールテープが近づいてくる。
みんな……ごめん。
ついに1位の人がゴールテープを切った。
そして私がゴールする。
気が抜けた瞬間、足に激痛が走った。
気がつくと、私は保健室に寝かされていた。
「茜!?起きたのね!?」
お母さん……?
視線を動かすと、隣にはお医者さんらしい白衣を着た中年の男の人…
「あなたはすごいですね」
何言ってんだこの人は。
初対面の人にすごいとか言われても。
「この怪我では歩けないのが普通なんだって!!」
まだ足がズキズキしてる。
「そうそう、ちゃんと雄也くんと明くんにお礼言っておきなさいよ?ここまで運んできてくれたんだから。」
「え!?」