heart slip
「いつから茜はお前のものになったんだよ」
そうだ!!私は誰のものでもない!!
「じゃあ勝負して決めようぜ!?」
ったく…雄也はあほか。明がこんな馬鹿らしい勝負やるわけないって。
「わかった。じゃあどっちがリフティングしていられるかでいいか?」
やるんかい。
この2人は小学校の頃からレギュラー争いしてたんだっけ。
「おう!!勝ったら茜はそいつのものだぞ!?」
私を景品にしないでよ。
でもでも……明が勝ったらめちゃくちゃ好都合だよね。
「わかった。じゃあ来週の放課後な」
がんばれ明!!
ふと私は、公園の時計を見た。
その瞬間、頭の中が真っ白になった。
8時25分。
鐘が鳴るまであと5分。
走れば間に合うかもしれない。
私は2人の腕をつかんで走り出した。