heart slip
門の前には日直の先生が立っていて、その先生が遅刻かどうか判断する。
でも先生も大変だよね……。
先生だって一応人間だから感情があるわけで、生徒にも好き嫌いがあるだろう。
私は思わず笑みを浮かべた。
こういう時に先生と仲良くしてると見逃してもらえる確率大!!
私は決して頭は良くないけど、関心・意欲・態度は全てAだしね。
数学以外はね。
数学は嫌いじゃない、先生が無理。
私は嫌いなものは態度で示す!!
授業中はいつも寝てるし。
寝てると叩いてくるから、舌打ちして軽く睨む。
いけないと思いつつ、ついやっちゃう。
うわあー駄目だ私。
数学の時だけ裏の性格でちゃうんだなー。
そしてほぼ同時に校門を通過。
「先生いなくねー?」
「超ラッキーじゃん!!早く教室に……」
私が言い終わらないうちに先生の声がした。
「こらー!!お前ら遅刻だぞー!!」
げっ……よりによって大嫌いな数学の先公だ……。
「逃げろー!!」
私は玄関まで猛ダッシュした。