次期社長の甘い求婚
昨日も今日も、朝からラインでやり取りしている。

【おはよう】から始まって、気づいたらお互い返事をする感じ。


「ん? 美月のスマホ光っているよ」

「え、あ本当だ」


テーブルに置いてあるスマホが、亜紀の言う通り光っている。

手に取り見れば、神さんからだった。


【榊原さんによろしく。楽しんで。それと明日、十時に迎えに行ってもいい?】


男の人らしい絵文字のないメッセージ文。


それが新鮮で、昨日から送られてくるたびに、まじまじと見つめてしまう。


「え、なになに~? もしかして恭様からとか?」

「えっ! いや、その……うん」


ドキッとしつつも、どうせ亜紀に嘘はつけないと判断し認めると、彼女は目をまん丸くさせた。


「嘘やだ、本当に!? なによ~メールまでする仲なの?」


「まぁ……。実はその、お詫びも兼ねて明日、神さんと出かけることになっていて……」


しどろもどろになりながらも伝えると、亜紀は驚愕し目を見開いた。
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