次期社長の甘い求婚
【Too happy】※幸せすぎます
「……はい……えぇ、それでお願いします」


どこからか聞こえてくる声に、重い瞼を必死に開ける。


あれ……?


広いベッドに肌触りのよい掛け布団。

次第に私のベッドではないと認識していくと、やっと瞼を開けることができた。


「はい、ではまた。失礼します」


声のする方を見れば、バスローブに身を包んだ神さんが電話を終えたところだった。


「神、さん……?」

「悪い、起こしちゃったな」


スマホを手にこちらへ歩み寄ってくる神さんに、徐々に覚醒していく。


ちょっと待って。あれ……? 私昨日……。


混乱する私に寄り添うように横になると、神さんに掛け布団ごと抱き寄せられた。


「じっ、神さんっ……!?」


喉がカラカラで、声が掠れてしまうも必死に名前を呼ぶけれど、神さんは可笑しそうにクスクス笑い、抱き寄せる腕の力を強めた。
< 235 / 406 >

この作品をシェア

pagetop