次期社長の甘い求婚
神様だって、せっかく手に入れた幸せを手離せたりしないでしょ? 今まで散々辛い思いをしてきたのだから。
これ以上の幸せを望んだりしない。……だからこれからもずっと、神さんと共に過ごせていけますように。
よく良いことは続くものだって言うけれど、私の場合はそんなことはなかった。
別れは突然訪れた。
それは次の日の朝、たまに行われていた朝礼で課長の口から飛び出た信じがたい話だった。
「突然で驚く者もいるかもしれないが、家庭の事情で今月いっぱいで鈴木主任が退職する運びとなった」
一瞬にして騒つき出すオフィス内。
それもそのはず。まさに寝耳に水な話だったのだから。
耳を疑ったし、冗談だとさえ思ってしまったけれど、課長に続いて口を開いた鈴木主任の話に、すぐにオフィス内はシンと静まり返ってしまった。
「えっと……どうせバレちゃうだろうから、みんなには正直に話したいと思います」
前置きする鈴木主任は、あの日からずっと元気がなくて、以前よりさらにやつれてしまったように見える。
話す声も弱々しくて、しっかり耳をすまさないと聞き逃してしまいそうだった。
これ以上の幸せを望んだりしない。……だからこれからもずっと、神さんと共に過ごせていけますように。
よく良いことは続くものだって言うけれど、私の場合はそんなことはなかった。
別れは突然訪れた。
それは次の日の朝、たまに行われていた朝礼で課長の口から飛び出た信じがたい話だった。
「突然で驚く者もいるかもしれないが、家庭の事情で今月いっぱいで鈴木主任が退職する運びとなった」
一瞬にして騒つき出すオフィス内。
それもそのはず。まさに寝耳に水な話だったのだから。
耳を疑ったし、冗談だとさえ思ってしまったけれど、課長に続いて口を開いた鈴木主任の話に、すぐにオフィス内はシンと静まり返ってしまった。
「えっと……どうせバレちゃうだろうから、みんなには正直に話したいと思います」
前置きする鈴木主任は、あの日からずっと元気がなくて、以前よりさらにやつれてしまったように見える。
話す声も弱々しくて、しっかり耳をすまさないと聞き逃してしまいそうだった。