次期社長の甘い求婚
なんて幸せな時間なんだろうって。

神さんと結婚したら、こんな毎日が続くのかな……?


「分かったか? 美月」


得意気な顔でどこか嬉しそうに問いかけてくる彼に、愛しさが込み上げてくる。


「はい、分かりました」


唇を噛みしめながら言うと、神さんは満足そうに顔をクシャッとさせ笑った。



神さんと一緒にスーパーで買い物をして、何気ない一言で幸せを感じて。
そばにいるだけで、こんなにも幸せな気持ちになれてしまう。


やっぱり好き。……どうしようもなく大好き。


買い物中、ずっと繋いだままの手。

気持ちを伝えるように強く神さんの手を握ってしまっていた。



「ヤベ、久し振り。こんな手の込んだ和食」

「本当ですか? それじゃ作った甲斐がありました」


あれから神さんは今住んでいるマンションに帰宅し、早速スーパーで買ってきた材料で作り遅い夕食を取った。
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