次期社長の甘い求婚
朝起きて、神さんが隣に寝ている。
結婚したらこれが当たり前の日常になるんだよね。


本当はこのままもっと神さんの無防備な寝顔を見ていたいところだけど、起こさないようそっとベッドから抜けて寝室を後にした。


「えっと、朝ご飯と作り置きもしないと」


時刻は朝の七時過ぎ。

きっと神さんは疲れているだろうし、目が覚めるまで起こさない方がいいよね。


その間に朝食の準備をして、多めに購入した材料で作り置きのおかずを作って、冷凍しておこう。
忙しい神さんでも、簡単に栄養のあるものが食べられるように。


朝食の準備をしつつ、昨日気になっていた溜まったままの洗濯にも取り掛かる。


きっと休日にまとめて洗濯していたんだよね。
それだけの量があるし。


洗剤を探して洗濯機を回し、その間に料理に取り掛かった。


穏やかな朝――。


彼と結婚したらこんな日常を過ごすことになるんだろうな。


そんなことを考えながら料理を作っていき、洗濯物を干し終える頃には九時を回ってしまった。


「よし、これであとは冷めたら冷凍庫に入れるだけ」


朝食と作り置きの料理も完成したとき、ドタドタと寝室から足音が聞こえてきたと思ったら、勢いよくドアが開かれた。
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