次期社長の甘い求婚
次の日。

亜紀の結婚式に予定通り参列した。

親族と親しい友人だけで行われた少人数での結婚式は、とても和やかで温かみのあるアットホームなものだった。


ウエディングドレスに身を包んだ亜紀は想像以上にきれいで、亜紀がお父さんとバージンロードを歩いている時点で涙腺が崩壊してしまった。


大切な親友の新たな門出に立ち会うことができて、本当に良かったと思う。

そして式後に亜紀に神さんの指輪など、捨ててもらう約束をしていたため会ったわけだけど……。


昨夜のことを話すと、亜紀の目はこれでもかってくらい大きく見開いていった。


「……驚いた。まさか昨夜のうちにそんなことになっていたなんて」


心底驚く亜紀を前に、どんな顔をしたらよいのか分からなくなる。


「けれど最高の結婚プレゼントよ……本当、ずっと美月のことが気がかりだったから」

「亜紀……」


綺麗にメイクした亜紀の目元には涙が滲み出す。


その姿に、彼女にたくさん心配させてしまったことがひしひしと伝わってきて、私まで目頭が熱くなってきてしまう。
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