次期社長の甘い求婚
【Troubled】※困ります
こっそり鈴木主任に想いを寄せて、庶務課でせっせと仕事をこなし、職場の同僚達との関係も良好に今まで過ごしてきた。


それなりに波乱万丈な人生を送ってきて今があるというのに、どうして神様は私にばかり不幸な道を与え続けるのだろうか。

私がなにをしたっていうの? 人の道を外れることや誰かを傷つけるようなことしていないのに。


むしろ良いことがあってもいいと思うんですが、この仕打ちはなんですか?



「ほら、あの人でしょ? 恭様に……」

「羨ましい~」

「でもあの恭様だよ? いつもの遊びかもしれないじゃない」


いつものように出勤するや否や、私を見かけた主に女性社員達は口々にヒソヒソ話を始める。

それがしっかり本人に聞かれていると知りながらも、やめようとしないから困りものだ。



神さんが定時後のロビーでとんでもない発言をしてくれた日から二日が過ぎた。

噂は瞬く間に営業所中に知れ渡ってしまい、今や私はちょっとした有名人だ。


あの日行われた庶務課の飲み会での主役は当然私だった。
終始ずっと質問責め。
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