次期社長の甘い求婚

【Please let me spoiled 】 ※甘えさせてください

一人暮らしを始めて早一年以上。

今日も私は、スマホのアラーム音で目を覚ます。


「んっ……もう朝か」


のっそり起き上がり、とぼとぼと窓の方へと向かっていく。
目を擦りながらカーテンを開けると、眩しい朝陽に目をしかめた。


「今日もいい天気。……さて、行く準備しますか」


ひとり言を呟きながら、会社に行く準備に取り掛かった。



あの日から約半月が過ぎた。

神さんとは同じ会社だから、見かけることはあっても話をしていない。


先に私が気づいて、見つからないように身を潜め、神さんの様子を窺う日々だ。


けれど神さんは特に変わった様子はなく、生き生きと仕事をしているように見えるし、実際に亜紀の話だと、今まで以上に真剣に仕事に打ち込んでいるらしい。


本人も意欲的で、もうしばらく関東営業所に勤務する予定だと聞いた。