次期社長の甘い求婚
しどろもどろになりながらも答えると、鈴木主任はまるで子供のように喜びを露わにした。


「俺はいいに決まっているじゃない。こっちが誘ったんだから。じゃあ今日は早く仕事終わりにしないとね」

「……はい!」


夢みたいだ。

まさかここにきて、鈴木主任とふたりで食事に行けるなんて。


もしかしたら神様が最後に与えてくれたチャンスなのかもしれない。

鈴木主任との思い出をプレゼントしてくれたんだ。


仕事帰りに鈴木主任と一緒に食事に行けるかと思うと、いつもの増して仕事に対するモチベーションが上がった。


テキパキと仕事をこなし、事前に会社の外で待ち合わせをしていたので、定時を迎えたと同時に会社を後にした。




「それじゃ乾杯」

「乾杯」


差し出されたグラスに一瞬戸惑いつつも、コツンと合わせた。
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